シンボルの調べ 8 テストステロン値

シンボルの調べ

定期的な射精で活力を維持

男性ホルモンであるテストステロンは「筋肉や骨格の成長」「性欲」「前向き思考、集中力、ヤル気」の働きがあります。男性を2つのグループに分け、グループ1(点線)は禁欲から7日経過して射精した場合のテストステロン値です。テストステロン値最上部は射精の時です。射精した直後から徐々にテストステロン値は下がります。しかし8日経過時の値を見ると禁欲を続けているグループ2(実線)と比較してもまだ高い事が分かります。グループ2のように禁欲期間を長くしすぎてもテストステロン値は上がる事無く一定値を維持または若干低下します。

テストステロン値の変化表

高いテストステロン値を保つ工夫

グループ1のように高めたテストステロン値も射精をすると下がりますが、実験によると射精寸前の状態で行為を終わらせた場合は約70%のテストステロン値の上昇をした状態を保つ事が可能だという結果が出ました(図の点線(グループ1)にある山のピーク(射精)一歩手前の状態です)。

マスターベーションやセックスで射精寸前(寸止め)状態を複数回行うコントロールが身に付けばテストステロン値の降下防止とともに長時間のプレイが可能になります。また射精をしないため賢者タイムによる脱力感がないので行為終了後も性欲の維持もできます。欠点は射精時に味わうオーガズムが得られないため慣れるまでは不完全燃焼感が残る点と、寸止め行為をやり過ぎると逆行性射精(射精時の精液が尿道から出ずにに膀胱へ逆流する現象)を起こす原因になります。プレイ数回に1度は我慢せずに射精する事も大切になります。

精液量と関係

男性は第2次成長期が始まる10~11歳頃から射精が可能な年齢になります。精液はマスターベーションやSEXなどでオーガズム(性的快感の頂点)に達した時、ペニス先端の尿道から放出されます。
国際性医学会によると男性が1回に射精する量は平均3ml前後とされています。

上の表は年齢と精液量の関係性です。40歳の平均値は約3cc、50歳で2.5cc、80歳で2ccであることが分かります。あくまでサンプル数の平均値のためこの値より多い場合や少ない場合もあります。精液の量に影響を与えるものとして以下の事が考えられます。

年齢:30歳前後が最も量が多く年齢を重ねるにつれて量は少なくなっていきます。
性行為の間隔:マスターベーションやセックスが頻繁な場合は貯蔵できる精液量に満たされる前に射精してしまうため量は少なくなります。
性行為の時間:マスターベーションやSEXの時間が短いと精液量は少なくなります。
生活スタイル:喫煙やダイエットにより精液量が減少します。適度な運動を習慣とする事で精液量が増え精子の質の向上にも繋がります。
ホルモンバランス:テストステロン値が低いと精液量は減少します。

より多くの量を射精したい場合

適度な運動(週に1.5時間以上)を行う事で体内テストステロン値は底上げされ、精子の質や精液量の向上します。またテストステロン値の上昇によって肥満改善や予防にも効果的です(肥満体型の人はテストステロン値が低い)。加えて良質なタンパク質の摂取やサプリメント類の補給も効果的です。

頻繁な射精をしている場合は少し禁欲期間を設けると精液量が改善します。体内で貯蔵できる精液量に達する前に射精してしまうと量は少なくなります。精液の大部分である精嚢液や前立腺液が体内に蓄えられるまで前回の射精から3~4日を要します

性的興奮時間が長いと精液量は多くなります。マスターベーションやセックスにかける時間が短いと蓄えられた精液を出し切る事が出来ずに射精量が少なくなります。勃起時間(興奮時間)を長く保つ事が必要なためオーガズム手前の射精しそうでしない状態を可能な限り長く保って一気に射精すると量は飛躍的に多くなります。なお、1度の性行為で複数回の射精を行っても禁欲期間をその分多くする必要は無いそうです。

オナ禁の利点?

マスターベーションによる射精を我慢する事で利点があるとされる意見もあります。例えば以下のようなものが囁かれています。

1.ニキビが出なくなり肌がきれいになる
2.抜毛やハゲの予防ができる
3.精子の質が良くなる
4.成長期にオナ禁すると高身長になる
5.集中力が増し学力が上がる
6.前立腺がんになる確率が減る

オナ禁の否定

体内テストステロン値は最後の射精をした日から最初の7日までは上昇します。しかし、それ以降はある程度低下し続けてから安定します。オナ禁していない人のテストステロン値のほうが高値で安定しています。

射精を断っても皮膚脂質が減るほどテストステロン値が減少する事は無くまた根拠もありません。脂質過多の原因は単に思春期による症状でオナ禁との相関性は有りません。

1日に何度も射精する行為は体内テストステロン値が減少し疲労も蓄積する原因になりますが薄毛などの原因となる悪玉テストステロン(ジヒドロテストステロン)の増長に直接的な影響はありません。

長期間に渡って射精を断つと精子の生産が抑えられるため正常な精子数減少の原因になります。鮮度の良い精子は短期スパンまたは毎日射精を行ったほうが良い結果が出ています。

成長期に抑えきれない性欲で毎日何度も射精しても体の成長が止まったり、逆にマスターベーションを我慢したから高身長になるという相関性は全くありません。精液の成分には亜鉛やタンパク質など栄養価の高い成分が含まれていますが射精で失うものは微々たる量です。成長に必要な栄養素が射精行為で欠乏したり成長に必要なテストステロンが排出されてしまう事もありません。成長期に過度なマスターベーションで射精しても体の成長と全く関係ない事が科学的に証明されています。

定期的な射精によりストレスを解消し精神的な安定にもつながります。湧き上がる性欲を無理に別の行為で抑え付けても精神的に不安定になったり攻撃的になる要因となります。マスターベーションによる射精でストレス発散をしたほうが精神的にも安定して集中できます。但し射精のし過ぎは疲労の蓄積に繋がるため自身にあった最適範囲内で射精を行う事も大切です。

定期的な射精は前立腺がんリスクを下げる可能性があります。米国で行われた調査によると40代~80代の約2万9000人を対象に、1カ月に4~7回の頻度で射精している人より21回以上の射精をしている人の方が前立腺がんリスクが3割低い事が分かりました。この調査からは週に5~6回(1カ月換算で20回~)というほぼ1日1回の射精頻度でようやくリスク軽減される事が分かりました。いずれにしても射精を何日も我慢する行為は体に良くないという事が分かります。

長期にわたって射精しないと勃起力低下やEDの原因になります。勃起させる頻度が少ないとスポンジ状のペニス海綿体に行き渡る血液流入量が減ってしまい勃起力が低下します。勃起力の低下は海綿体を覆っている白膜も次第に縮む事でペニスサイズ縮小の可能性すらあります。

このように一部で話題のオナ禁による利点とされている事に対して否定的な見解が多くあります。